善意が仇に・・・献血や輸血でエイズになるの?

  • HIV検査目的で献血?

 

信じられないことですが、自分がエイズに感染しているかどうかを確かめるために献血をする方がいらっしゃるようです。日本赤十字社では、エイズの陽性反応が出ても通知はしないとしていますが、ほとんどの献血ルームなどでは、通知をしているようです。表向き通知しないとしているのは、検査目的の献血希望者を排除するためです。

2013年秋には、献血でのHIV検査をすり抜けてHIV感染者の血液が輸血に使われてしまい、その患者さんもHIVに感染するという運が悪かったでは済まされない事態が発生しました。輸血の最中はご本人もご家族も安堵の気持ちでいらっしゃったでしょうに、奈落の底に突き落とされたご心中は察して余りあるものです。

大多数の皆さんはお時間を作って献血に来てくれているのに、このような方が1人いるだけでイメージが悪くなり足が遠のいてしまうのは大変な社会的損失です。

 

  • 保健所や病院は行きづらい?

 

献血ルームは皆さんに来てもらおうと、駅前など便利な場所でオシャレで明るい雰囲気にしたり、無料でお菓子や飲み物を提供したりとさまざまな工夫をしています。街中であればいろいろな人が出入りしていて気軽に入りやすい雰囲気を演出しています。

一方、保健所は無料で匿名という以外はメリットが何もないような、遠方だと行くのが面倒くさい、時間が合わない、お役所的で冷たい暗いというイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。病院は、当然ながら費用がかかりますし、人によっては保険証の履歴からご家族に知られるというリスクもあります。

利己的な方が献血で検査をと考えてしまう余地があるかもしれません。ご本人もまさか検査をすり抜けるとは考えていなかったのでしょう。HIVの抗体が体内にできるのは感染から約8週間後(個人差あり)で、高精度の検査を実施しても約6週間くらいはウイルス量が微量すぎて現在の技術では検出できないのです。

 

  • 社会の一員であるということ。HIVに注意しましょう

 

日赤では検査すり抜けを防ぐために、献血時の問診ではHIVに感染するリスクの高い行為(同性間の性行為など)の後6ヶ月間は献血をお断りしているのですが、これも良心頼みで心許ないものです。「検査をすり抜けて輸血に使われた」という事実を広く認識してもらっても、あまりものを考えずに行動する方々というのは必ず一定数は存在します。

HIVに感染したからといって100%エイズを発症するわけではありませんし、少なくとも日本では死の病ではありません。それでも、発症すれば治療費はかかりますし、ご本人やご家族の精神的なご負担、性病も含めほかの病気にかかりやすくなるなど不安の多い生活を強いられることになります。

社会構造的な問題ではなく、明らかに自分一人の軽はずみで身勝手な行為が、何人かの人々の人生を狂わせてしまう可能性があるのです。その恐ろしさをよく考えてみてください。